こんにちは!
やっぱり今日も寒いですねー。
室内でも息が白くて驚きました。冬、ですねぇ。
さて、今日は、大理石モザイクをご紹介。
これは以前作った、鳥のモザイクです。
アクイレイアという、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州の小さな町に残る、
ローマ時代の床モザイクのコピーです。
あえて現物よりも小さく作ってみました。
なので最も小さい大理石の欠片(テッセラ)は2ミリ角ほどです。
コピーといっても、モザイクの場合は
絵画や建築の模写や模刻とはちょっと違って、
再現芸術という意味合いが大きいように思います。
石の色や大きさ、流れ...
もちろん全てを模すのですが、それプラス、
ゆとり、のようなものを表現すべきなのでは、と思います。
モザイクにおけるriproduzione(模写・模刻・複製etc)は、
なかなか奥が深いです。一生勉強ですね。
さて、大理石モザイク。
この鳥さんもそうですが、大理石モザイクは主に床面装飾に使われます。
例外としては、サンタ・コスタンツァをはじめとする
ローマ及びローマ郊外の建築物の天井装飾モザイクが挙げられますが、
私が見て来た限りでは、特にラヴェンナを代表とするビザンチンモザイクでは
ほとんどが大理石モザイク=床面モザイクです。
床は、もちろん上を人が歩きます。
なのでフラットで安全でなければなりません。
大理石モザイクの表面は石を置く時にもフラットになるように注意します。
また、置き終わった後もグラインダーで削ったりして、
比較的ツルツルの状態を目指します。
皆さんがイタリアやチュニジアなどの遺跡や教会で床モザイクをご覧になられたら、
かなりツルツルである事が感じられると思うのですが、
それにはもう一つ理由があります。
ローマ時代の人々は皮製の靴(床に接する面ももちろん皮)を履いていました。
つまり、皮と大理石が常に擦れるのです。
自然と大理石が磨かれて、つやが出てくるんです。
面白いですよね。
この事を知った時、なんだかワクワクしました。
ローマ人は皮の靴を履いている、と聞くだけでは歴史の授業みたいですが、
目の前にあるモザイクがツルツルな理由が、
幾多のローマ人が底が皮の靴を履いて行き来していたからだ、
と思うと、一気に身近な雰囲気になりませんか?
現在はなかなかモザイクの上を歩く機会は少なくなって来ていますが、
ラヴェンナのサン・ヴィターレ教会の床は一部モザイクです。
建設当時のモザイクはほんのごく一部しか残っておらず、
殆どは後世に補われたものですが、その上を歩くとツルツルして気持ちがいいです。
夏の暑い日なんて、裸足になりたいぐらい。
(意外と仕事熱心な監視員の目が光っているのでもちろん無理ですけれど)
さて、次回は、今週末のモザイクコースについてお知らせします。
準備も佳境を迎えました。
皆さんと楽しくモザイク作品を作れるよう、頑張ってます!
それでは良い夜をお過ごしください。
Buona serata!